Our business事業案内

流起式可動防波堤

扉体が、通常時は海底に倒伏していますが、津波が発生した場合、人の操作無く自動的に扉体が起立し、防波堤としての機能を発揮します。また、流れの方向に依存しないので、津波発生時の押し波、引き波いずれの場合でも起立でき、人や物が外洋に流されるのを防止します。

平常時は水中に倒伏しています。津波がおさまると元に戻ります。

津波の水流で扉体が立ち上がります。

引波が発生すると逆向きに立ち上がります。

流起式可動防波堤の特長

  1. 地震などでインフラが遮断されても、津波の力だけで無動力で起立します。
  2. 津波がおさまると元通り海底に沈み、船の往来が可能になります。
  3. 機械的な回転軸が無いので、地盤変形の影響を受けにくい構造です。
  4. 部品数が少なくメンテナンスが容易です。
  5. 固定ベルトは高強度ゴム引布製で衝撃力をダンパー効果で吸収します。
  6. 工場で組み立てた扉体を海上曳航して設置するので、現地施工期間が短くてすみます。
  7. 初期費用・維持費用ともに低コスト化が図れます。
  8. 周辺の景観を損ないません。

実験状況

京都大学防災研究所での実験状況

京都大学防災研究所での実験状況

平成25年から「流起式防波構造体に関する共同研究会※1」として研究を進め、これまで様々な実験やシミュレーションを行い、動作条件や作用加重、堆積土砂の影響などの各種データを得ることで、実用段階に至りました。
その研究成果は港湾空港技術研究所資料 NO.1384※2にて発表されています。

平成27年7月に行われたマスコミ発表および官公庁見学会の模様はNHKで放映され、国土交通省および都道府県の方々に実験見学とともにいろいろなご意見を頂きました。

  1. 共同研究会メンバー:
    国立研究開発法人 港湾空港技術研究所、京都大学防災研究所、大阪工業大学、一般財団法人 沿岸技術研究センター、(株)丸島アクアシステム、(株)ニュージェック、みらい建設工業(株)
  2. 港湾空港技術研究資料

港湾空港技術研究所での実験用実機

工場完成:平常時

工場完成:平常時

工場完成:津波襲来時

工場完成:津波襲来時

工場完成:引波発生時

工場完成:引波発生時

動作説明図

動作説明図

引き上げ式ゲートとの比較

  流起式可動防波堤 引き上げ式ゲート
(ローラーゲート)
概略図 流起式可動防波堤(概略図挿入用) 引き上げ式ゲート(概略図挿入用)
機能 津波発生時には、自動的に起立して津波を防ぐ 津波発生時には、遠隔操作で全閉して津波を防ぐ
開閉装置の要否 開閉装置は不要
点検用として、設けることも可能
開閉装置が必要
閉操作 津波の力を利用した無動力操作 電動による開閉操作
土木構造 開閉装置を設置するためのピアは不要 開閉装置を設置するためのピアが必要
コスト 戸当り等不要かつ構造が単純なため安価 構造が複雑なため高価

使われるところ(設置イメージ図)

防波堤開口部設置イメージ図

防波堤開口部設置イメージ図

倒伏時のイメージ図

倒伏時のイメージ図

河口部の津波遡上部設置イメージ図

河口部の津波遡上部設置イメージ図

倒伏時および洪水時のイメージ図

倒伏時および洪水時のイメージ図

護岸等陸上部設置イメージ図

護岸等陸上部設置イメージ図

陸上設置時の断面イメージ図

陸上設置時の断面イメージ図