河川浄化設備River purification facilities
担体方式バイオ脱窒設備
担体方式のバイオ脱窒技術は、脱窒菌を高濃度に保持することで、夏〜秋期で90%以上、冬期でも85%以上と、年間を通じて安定した窒素除去率が維持できる画期的な技術で、閉鎖性水域での富栄養化対策として大きな効果が期待できます。
特長Feature
- 担体と窒素ガスを効率良く分離できるよう、独自の攪拌機を採用しております。
- 水素供与体の供給は必要量を自動注入できます。
- 流入開始から全て自動で運転しますので、維持管理に手間がかかりません。
▲ 集川脱窒設備鳥瞰図
実績紹介
概要
集川は、鹿児島県の観光地、池田湖の上流河川で、周辺流域の茶畑や果樹園などで使用される肥料の窒素成分が池田湖に流入、汚染やアオコ発生原因の一つとして大きな問題になっています。集川浄化設備は、わが国で初めての担体方式バイオ脱窒技術の実用化プラントで、容量6立方メートルの攪拌機付き脱窒反応槽12基と、接触酸化槽、沈澱槽、汚泥可溶化装置、汚泥減量化槽などで構成されています。
写真-1.脱窒反応槽
写真-2.メタノール貯留槽
南薩畑かんシステム系統図
集川の窒素濃度を低下させることで、池田湖の富栄養化のリスクを低減することができます。
▲ 南薩畑かんシステム図
設備フロー
原水は設備内を自然流下で移流し、最終的に揚水機場に流れる用水路に放流します。
▲ システムフロー
処理結果例
2年間に亘って効果測定をした結果、放流水NOx-N濃度は夏〜秋期で1mg以下を維持し、処理効果が低下する冬期でも2mg/ℓ程度を維持することができました。また、除去率においても夏〜秋期で90%以上、冬期で85% 以上を維持しております。
図-5.各処理槽におけるNOx-N濃度の推移
図-6.放流水におけるNOx-N除去率の推移