ダム・貯水池水質保全設備Dam, reservoir quality of the water maintenance facilities
湖底設置式散気設備
湖底設置式散気設備は、ダム貯水池におけるアオコの発生を抑制する設備です。散気管から発生する気泡により、ダム貯水池内の全層域または浅層域の水を上下循環させ、アオコへの光制限により発生を抑制します。
湖底設置式散気設備には固定からタワーを設置して散気孔を複数箇所設置するタワー式、散気管を水中で自立させるフロート式があります。
特長Feature
- 設備は水面下にあるため循環流を阻害することはなく、景観も阻害しません。
- タワー式は陸上の切替弁により散気水深を変更することができます。
- 昇降式散気設備に比べ設備費が安価です。
▲ 左:フロート式(水資源機構 長柄ダム) 右:タワー式(国土交通省 灰塚ダム)
設備概要
フロート式
フロート式は、多孔式散気管と散気管を支持するための架台や水中に浮遊設置するためのフロート、およびシンカー等の係留部によって構成されており、主に全層循環を行う場合に使用されます。
このタイプは湛水後の設置に適しています。
タワー式
タワー式は、単孔式散気管と散気管を支持するための鋼製柱状構造物によって構成されています。
散気管は設定する散気標高に応じて複数配置することが可能であり、陸上の切替弁により散気標高の選択が可能です。
このタイプは湛水前の設置に適しています。
効果
姉川ダム(滋賀県)において、湖底設置式散気設備(タワー式)を3基設置し、運転した結果、表層のクロロフィルaは運転8日目で運転前の半分に減少し、植物プランクトンの増殖抑制効果が得られました。
▲ タワー式 姉川ダム