ダム・貯水池水質保全設備Dam, reservoir quality of the water maintenance facilities
昇降式散気設備
昇降式散気設備は、ダム貯水池の水温制御とアオコの発生を抑制する設備です。散気管から発生する気泡により、ダム貯水池内の浅層域の水を上下循環させ、アオコへの光制限と栄養塩の供給量を減らすことでアオコの発生を抑制します。散気管は台船に設置されたウインチにより任意の位置に昇降させることが可能です。
特長Feature
- フロート式ですので散気位置は貯水位に追従します。
- 散気水深を任意の位置に設定することができます。
- 遠隔操作により陸上から散気水深を変更することができます。
- 散気管の振れ回りを抑制するための振れ止め装置を装備しています。
- フロートはステンレス鋼製で、水流を阻害することがないように円柱構造となっています。
▲ 国土交通省 緑川ダム
設備概要
昇降式散気設備は台船上から散気管を吊り下げている構造となっており、貯水池の水質に応じて、台船上のウインチにより任意の位置から散気することが可能です。散気管の位置変更は、手動式ウインチの場合では台船上で行い、電動式ウインチの場合は陸上の制御盤で行うことができるほか、ダム管理所からの遠隔操作を行うことも可能です。
効果
高山ダム(独立行政法人 水資源機構)では、昇降式散気設備を設置した2003年以降、アオコの発生は見られていません。
ダムサイト地点アオコ発生状況 ※2000年〜2005年(7、8月)
藻類の異常発生の状況
淀川水系流域委員会 河川管理者提供資料より抜粋
自然エネルギー利用型昇降式散気設備(オプション)
動力はソーラーパネルと風力発電機併用のハイブリッドタイプとし、散気水深の変更は無線通信によって行います。これにより、従来の電動ウインチ型では必要であった制御盤〜昇降式散気設備間の電気ケーブルが不要となります。
▲ システム概略図
自然エネルギー利用型 昇降式散気装置 標準設計仕様
- ソーラーパネル:2枚
- 風力発電機:1基
- 無線伝送システム:1式
1)動力負荷
電源 | 負荷容量 | |
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巻上装置電動機 | DC24V | 0.4kW |
制御負荷 | DC24V | 0.kW |
2)運転条件
運転時間 | 30min/週 |
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不日照保証日数 | 3日 |
3)無線伝送システム
入力点数 | 8点 | 運転指令 |
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出力点数 | 3点 | 状態信号 |
アナログ入力 | 1点 | 深度表示 |