濁水対策設備Clouded water measures facilities
浮沈式濁水対策フェンス
ダム貯水池に設置される従来の分画フェンスは、出水時に濁水の混入を防ぐ機能を持ちますが、出水後に上流から流入する清水の流れを阻害する弊害がありました。浮沈式濁水防止フェンスはこの問題を解決するため、フェンスの一部を沈下させ、上流側の清水をスムーズにフェンス下流側へ導きます。
特長Feature
- 出水後は、フェンスの一部に設けた浮沈可能部分を沈め、清水化した流入水をフェンスとダム堤体間に直接補給することによって、濁水対策効果を高めることができます。
- フェンスの一部のみを沈下させ、通船ゲートの機能を兼ね備えることができます。
- 予想以上の力が加わった場合、フェンス本体の損傷を防ぐ過負荷防止装置を備えています。
▲ 十津川第一発電所 風屋貯水池納入
設備概要
流入してきた濁水はフェンスでくい止められ、フェンスと堤体間の表層部は 清水の状態が保たれます。中層以下に流入する濁水は、選択取水設備から下流側に放流されます。
表層部に清水が流入すると、フェンスの浮沈部分を水面下に沈下させ、表層部の清水を直接取り込んで選択取水設備から放流します。
中層以下の濁水塊では沈降が促進され、低層の低温水域に滞留します。
浮沈部操作
陸上部に設置した浮沈装置(コンプレッサ)から空気を供給することでフェンスを浮上させます。フェンス近傍に設置したエアー駆動式バルブの作動でフェンス浮体の空気を抜くことで沈降させる構造です。
仕様例
フェンス形状 | 全長約 350m × 高さ 15m |
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材質 | 一般部:ポリエステル心材PVCターポリン 護岸部:ゴム引き布 浮沈部:合成ゴム |
コンプレッサ | オイルフリースクロールタイプ 2.2Kw |